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締め切り際な日々

今、「星灯4号」のために、
短編小説を書いていて、
締め切りが迫り、
編集長がかなりご立腹なんです。

ところが、こんな時に限って、
先日書いてみた「一文物語」が、
次々と頭に浮かび、
それを書き留めるのに忙しく、
短編小説が頓挫中なんです。

ああ、困った、困った。
いっそ、一文物語集で許してもらえないかな、
と、思っているんです。

では、そのいくつかを。

 教え子がジョンレノンミュージアムの土産に買ってきてくれたマグには
 War is overと書かれていて、
 取っ手が割れた時には、
 世界平和のためにその教師は全力で修繕し、
 その後も何年も使い続け、
 ジョンレノンミュージアムは一度も行かないうちに閉館したらしいが、
 今日、ジョンレノンの命日を静かに迎えている。

 ジョン・レノンを射殺した男が持っていた
 「ライ麦畑でつかまえて」を
 男は学生時代に初めて読んでから、
 すでに何度も読み、
 ひとに貸しては返ってこないので、
 そのたびに買い、、新訳も買ったが、
 やはり古い訳のほうが好きで、
 原書も持っているが、これは未読で、
 未だにこの作品を超える傑作に出会ったことがない。

 男が学生時代に読んだ宮沢賢治の物語、
 みすぼらしい格好をして汚い言葉で真実を語る土神、
 華麗な格好をして美しい言葉で嘘を語る狐、
 二人はともに樺の木を愛していて、
 ある日、土神が狐を殺し、大きな声で泣くが、
 男はその涙の意味を三十年近く考え続けていて、
 自分は土神より狐に近い人間なんだとは自覚している。

 男がココアを飲むたびに思い出すことは、
 冬の夜、塾帰りに、親友を捨てて、
 恋人と一組しかない手袋を片方ずつはめ、
 もう片方の手をつなぎ、 
 バスターミナルまで歩き、
 自動販売機の七十円の紙コップに入ったココアを
 ベンチで分けあって飲んだ時の温かくほろ苦くて甘い味だった。

さ、執筆にとりかかろっと。
もう、一文物語、思いつきませんように。

Love & Peace ・・)v


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