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介護の研究

このごろ、たいていの週末は、娘をつれ、実家に行き、
兄の世話をします。

兄はしゃべれず、知能は二歳くらい。
手をつながなくては歩けず、左手は動きません。
数年前から、トイレも一人で行けなくなりました。

平日の昼間、兄は学園に行きます。
障害者が通う施設で、卒業はありません。
兄はそこで仕事もしています。卵の殻を砕いて、肥料を作るのです。
学園が終わると、兄は両親の店の裏の部屋で過ごします。

週末は、学園が休みなので、
兄は店から少し離れた実家に祖母といます。
その祖母もだいぶ年をとってきたので、少し心配、
そこで僕たちの登場となるわけです。

僕は兄の食事や風呂や車の乗車などの世話が家族で一番上手。
兄の持てるわずかな力を最大限に引き出すのがテーマ。
転んでも僕がいるという安心感を与えるように、そっと手をそえるのがコツ。

僕は兄の世話を通して、
実は介護の研究をしているんです。
祖母、父、母、兄の四人を見送らなくてはなりませんから、その準備で。

介護とは、愛するひとの人生の最終楽章のタクトを振ること。
手は抜けません。

兄の世話で一番大変なのは、トイレ。
居間にあるオマルを使い、パンツの下げ上げもしてやるですが、
あまりに頻繁にトイレと騒ぐので、頭に来て、憎たらしくなることもあります。
実はこれ、しゃべれない兄の愛情表現、コミュニケーションなんです。
と、わかってはいるのですが、ついむかついてしまうのです。

兄といると、愛とはつくづく HERE & NOW なんだと思うんです。
いっさい打算はなく、今ここで、完結するもの。

さて、兄のトイレですが、最近、進歩がありました。
この前の日曜日、僕は心を鬼にして、兄にトイレトレーニングをしたのです。
それでパンツを自分で下ろすことだけは、できるようになりました。
これは大きな一歩で、なぜか兄のトイレの回数も激減。
僕は家族に、さすがセンセイ、と大いに感謝されました。
兄もみなにほめられ、ご満悦。

今日は、僕の特製ニンジンスープが効いたのか、
万年便秘の兄のうんちが出て、これも家族で喜びました。

兄ちゃん、また来週、一緒に遠足行こう。

それにしても、娘よ、いつも兄ちゃんのうんち見に来るのやめなさい。

Love & Peace^^v

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Comments

2年半前に亡くなりましたが僕もアルツハイマー病の父を9年介護しました。

自分の父親の知的身体的衰退の中の介護は言葉にできないものがありました。今でも後悔でいっぱいです。もっとああしてあげればよかった、こう接するべきだった。
でもその時は自分の感情をもてあまして、介護という行為でいっぱいいっぱいでした。それに僕は父の介護で、他県から来た妻と幼い娘のいる自分の家庭生活をかなり犠牲にしていましたし。

でも、今にして思えば(今だから思える)、介護の中で父にもらったものもいっぱいあります。
また、母は、衰えて人格も身体能力も失っていく父を最後まで愛する「人」として変わらぬ愛情をもって接しました。

介護とは、してあげるものではなくて、自分がその相手とどうかかわるか、愛情がためされているんですよね。(だから、介護がサービス産業になってしまった今、介護施設での暴行など悲しい事件が多発しているんです)
だから、「愛とはつくづく HERE & NOW なんだと思うんです。いっさい打算はなく、今ここで、完結するもの。」というジローさんの言葉はその言葉は胸にしみます・・・

父の介護と、母の父への愛情は、僕にとって良いも悪いもいろんなものをひっくるめてかけがえのない財産となっています。
いつかこのことをまとめて書いてみたいとはおもってます。
すみません、長くなっちゃいました。

Posted by: tindrum | April 10, 2005 at 11:17 PM

過日の新聞で、グルジアで食を加工する技術をまだ持たない177万年前の原人なのに、歯がなくなってからしばらく生活をしていたと思われる方の化石が見つかった、と記されていました。このことは仲間が軟らかい髄などを分けていた事を推測される、とも書かれております。
177万年前、僕らが途方にくれるような時代から、仲間をいとおしみ、介護をしていた姿を空想し、何かとても嬉しくなりました。
うちも甥っ子が自閉です。たまにしかあえないので、充分に理解をしているとは思いませんが、少なくとも家族の愛の中で楽しく過ごせているのは嬉しいことです。

Posted by: Take | April 11, 2005 at 12:56 AM

tindrumさんも、介護を経験してらしたんですね。
「愛情が試されている」
たしかに……。
お母様のお父様への愛、本当に美しいですね。感動しました。
まさに、ソウルメイトな二人。

Takeさん、はじめまして。
グルジアの原人の話、僕が聞いたネアンデルタール人の話と同じですね。
やはり、人間には、本来、やさしさがインプットされていると確信。

Love and Peace ^^v

Posted by: ジロー | April 11, 2005 at 08:20 PM

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