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10年前のあの日

僕はいつもと変わらぬ冬の朝を迎えていた。
冷たい雨が降っていた。

職場に行くと、関西で地震があったと、同僚が騒いでいた。
一時間おきくらいに、ニュースを見た。
どの局も、黒煙を巻き上げる炎が点在する街を空から映していた。
テレビをつけるたびに、死者数が増えていく。

大変だ。
かわいそうだ。
なにかしてあげなくては。

そんなことは誰でも考えていた。
と、思う。

僕はビラをつくって、職場にまき、カンパを募った。
そして、金を送った。

大変だ。
かわいそうだ。
なにかしてあげなくては。

そんなことを、何度も言ってた。

しかし、そのとき、僕はあることに気づき、愕然とした。

その数ヶ月前、飼っていた犬が死んで、僕は泣いた。
一週間泣き続けた。
涙は、あとからあとから出てきて、止まらなかった。

そんな僕が、10年前のあの日、
あれだけの人間が死んだというのに、
涙を一滴も流さなかったのだ。

僕はこんなにも冷たい心の持ち主なのだ。

その日以来、僕は常に想像力を問われている。

お前に、見えるか
見えない他者の、見えない心が見えるか。

今日も、僕はペンをとる。

Peace ^^v


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