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編集者さん

僕が「ルック・アップ」という長編小説を書いて、単行本化されるとき、
僕より若い独身女性の編集者さんにお世話になりました。

編集者さんは、帯の言葉やカバーのデザインなどを考えてくれます。
僕は本を出すことは初めてなもので、何も分からず、ただ「はい、はい」と言っていました。

文章については、いろいろと話をしました。
いつも娘がそばにいて、喫茶店や、おでん屋や、バイオリン教室の前のソファで。
彼女は、誤字・脱字、表記の不統一、わかりにくい表現などを、細かく見てくれ、
よりよいものにするために何カ所も書きかえることにしました。

ジョン・レノンの歌を何曲か引用したときには、
オノ・ヨーコさんともやりとりがあり、
その編集者さんが、間に入ってくれて、なんとか問題なくすみました。

僕は彼女に、一回だけ、ノーを言いました。
彼女が書き直しを提案したときです。
主人公が、再婚を勧める友達と話す場面で、こう言います。
「僕はもう家事をマスターしたから、結婚する必要がないんだよ」、と。
彼女いわく、男性が結婚相手に求めるものは家事だけではないから書きかえるべき、と。

まったく、その通りです。
妻は、家政婦ではないのですから。

しかし、僕はそのとき、何となく直感的にノーを言ってしまったのです。
主人公を、不完全のままにしておきたかったのでしょう。
なにせ、モデルは僕ですから……。

さて、その編集者さん。
今年いっぱいで、その出版社を去り、渡米することに。

思えば、初めて電話をもらって、
「先生の小説を出版したいのですが……」
と言われたときの感動は忘れられません。
その後、いろいろ営業戦略を練ったのもいい思い出です。

とにかく、結婚おめでとう。
また、いつか一緒に本作りましょうね。
それでは、お幸せに。

Peace ^^v

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Comments

その、編集者です。ここのところ仕事が忙しく(何しろ残すところあとひと月ですから……)しばらく読んでいませんでした。こんなに温かい言葉をかけていただき、本当にありがとうございます。この場所で、こんな風にお祝いと励ましの言葉をいただけるなんて、私はなんて幸せな編集者なんでしょう! この仕事を辞めざる得ないのは惜しい気もしますが、この仕事で得たものを新しい環境で生かしていきたいと思っています。

Posted by: acopic | November 23, 2004 04:36 PM

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