« 歩こう、歩こう | Main | ゆっくり歩く »

「星の王子さま」論③自由について

「星の王子様」にはたくさんの印象的な場面があります。
読むたびに、こんな場面もあったっけ、と思うところもあります。

今回、なぜか引っかかった場面。
地球にたどり着いた王子が人間を捜していると、
砂漠に咲く花に出会います。
花が、人間について、こういうのです。
「人間は、風に吹かれて歩き回り、根がないから、不自由してますよ」

大地、つまり自然と切り離されてしまった、根を持たない人間。
自由に宿命づけられているのです。

もうひとつ、気になったのはスイッチ・マンのシーン。
スイッチ・マンは、乗客を千人ずつ、特急汽車に乗せます。
「みんな、いそいでいるね。なにをさがしているの?」
と、王子が訊きます。
「それ、乗ってるひとたちも知らないんだよ」
すぐに、違う特急汽車がやってきて、他の乗客を乗せます。
「もう、もどってきたの?」
「違う客だよ。すれ違ったのさ」
汽車は、反対方向に走っていきます。
「自分たちのいるところが気に入らなかったの?」
「人間って、やつぁ、自分のいるところが気に入るなんて、ありゃしないさ」
三番目の特急がやってきました。
「最初の汽車を追いかけてるの?」
「何にも追いかけちゃいないよ。寝てるか、あくびしてるだけさ」
王子は最後に言います。
「子どもたちだけが、何が欲しいかわかってるんだね」
スイッチ・マンはつぶやきました。
「子どもたちは幸せだな」

忙しくて、ものを考えられなくなった大人たち。
行き先も、何が欲しいかも分からない。
自分のいるところが気に入ることはなく、
いつも汽車のような乗り物の載せられ、流されている……。

英語の授業で、今、「星の王子さま」を教えています。
このスイッチ・マンの話を、生徒にしたら、何人かがビクンと反応しました。
自分と重なる部分があるようです。

60年以上前に書かれた物語ですが、
現代にも通じるものがあるようです。

それは、何か?

サン=テグジュペリは、フランス人。
当時ヨーロッパでは、ナチスドイツが台頭していました。
結局、自由から逃走し、ファシズムを受け入れてしまった大人たち。

大人たちは、きちんと想像力を取り戻し、自分の足で立たなくてはならない。
さもないと、ファシズムを受け入れ、戦争をも受け入れてしまう。
と、星の王子様が、現代の私たちにメッセージを送っているようです。

ナチスドイツと戦い、飛行士として死んだサン=テグジュペリ。
僕も「見えないものを見る力」を取りもどし、たたかわなくてはなりません。
僕の武器は、コトバしかありませんが……。

Peace ^^v

|

« 歩こう、歩こう | Main | ゆっくり歩く »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「星の王子さま」論③自由について:

« 歩こう、歩こう | Main | ゆっくり歩く »