Main | March 2004 »

愛という行為

ひとの行為には二種類あるそうです。
ア、何か目的のためにする行為。
イ、その行為をすることが目的である行為。

つまり、
どこかに行くために歩くのは、ア。
ウォーキングとか散歩は、イ。

シングルになる前、僕はいつもがんばっていました。
何かのために。つまり未来のために。
そんながんばる自分が、偉いとさえ思っていました。

ところが、僕は未来のためにがんばっていて、
「今」を、忘れていました。
今、目の前にいる愛する人のことを、忘れていました。
がんばるお父さんでありがんばる夫は、娘のことと、妻のことを、
忘れていました。
僕は愛を忘れていました。

愛するという行為は、イ、絶対にイ。
愛するということは、そのことだけで尊いもの。

昨夜、娘とひさしぶりに、夜更かしして遊んでいたら
そんなことに気づきました。

なぜ娘と二人で暮らすの?
よくきかれます。
これからは、娘と暮らすために娘と暮らすと、答えることにします。

今からは、「今を生きる」、でいきます。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ちょっと気になることが…

娘は毎日、日記をつけているのですが、
昨日とおとといと、
母親と僕と娘の三人の絵を描いたのです。

この前のドラマ「僕と彼女…」で、りんちゃんが
「三人で暮らしたい」と言ってましたよね。
その時は涼しい顔で、娘も見ていたのですが…

今日は金曜日、ドラえもん、わたしんち、ザ・ジャッジと
テレビ三昧の日です。

夕食は一緒につくりました。
三色ご飯ならぬ二色ご飯。青いものがなくて…。
僕が肉そぼろをつくって
娘が炒り卵つくりました。
(いり卵はyapapaさんに習ってマヨと蜂蜜入り)
テレビを見ながら、おいしく食べました。

ザ・ジャッジが終わると、二人で遊びました。
まず、生ゴミ処理機の基材の箱の丸い蓋をフリスビーにして
ぶつけあったり、キャッチボールのようにしたり。
それからビーズ細工を少々。
そのあと、雑貨屋さんごっこ。娘が店長で僕がお客。
洒落た洋楽を流し、娘は割引券も作りました。

「あ、店長、今日の日記は?」
と、お客の僕が言うと、
娘は「今やるとこ」と言って、書き始めました。

ふー。
今日は三人の絵は描きませんでした。
雑貨屋さんごっこのことを詳しく書いていました。

雑貨屋さんごっこが終わると
カードゲーム。アルゴってご存じ?
これは頭を使うゲームで結構おもしろいのです。

気づいたら、十一時半。
娘は歯を磨き、ソファで横になった瞬間寝入っていました。

とにかく、今週も一段落です。
さ、明日(もう今日か)の朝は、寝るぞ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

洗い物のせいか、手が荒れてきました。
特に、右手の中指が、
かゆくて、皮がむけて、ぱっくり割れて……。

先日、娘のママが、うちに来ました。
玄関までですけど。
月に一度娘に会うので、引きとりに来たのです。

彼女は、ピシッと決まっていました。
服も靴も、髪もメイクも完璧。

ふと、彼女の手が目に入りました。
両手の指に、バンデージが何カ所も巻かれていました。

僕は彼女が手荒れに苦しんでいたことを思い出しました。

彼女が娘と行ってしまったあと
こみ上げてくるものがありました。

あんなに頭の先からつま先まで決めているのに
あの指だけは、どうにもならない……。

僕の指がたった一本荒れたおかげで、
彼女の手荒れの苦しみの度合いも
ようやく実感することができたのです。

僕は、それほどまでに、ひとの痛みに鈍感でした。
なんだか、とても悲しくなりました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

バイオリン①

今小学校二年生になる娘が
一年生のとき言い出したことがあります。
バイオリンを習いたい、と。
僕はさほど本気ではないだろうと
聞き流していました

バイオリンという言葉は、少し高級な響きがします。
とても、僕たち父子のがらではないと思っていました。
僕たちには、入っていけそうにない世界。
だいたい、僕は音符が読めないのです。

しかし、娘はあきらめませんでした。
何ヶ月も、言い続けたのです。

娘は、小学校二年生に、
僕は、シングルファーザー二年生に、
無事、進級することができました。

一年生の時は、片親というマイナスを
できるだけゼロに近づけよう、
そればかり思ってました。

でも、いざ二年生に進級してみると、
ゼロで満足だなんて、なんて悲観的、
大きくプラスにもっていくべきだ、
と、確信したのです。

ちょうど、原稿料という臨時収入があったので
勇気を出して、申し込んできました。
もちろん、娘の子ども用のバイオリンも買いました

こんな田舎に、バイオリンの先生がいるということが、驚きでした。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

おじいちゃんのできなかったこと

時々、娘の横顔を見ていて思います。
これは、おじいちゃんのできなかったことなんだな、と。

フィリピンで戦死したおじいちゃんが、
生まれたばかりの赤ちゃんの写真を見たかどうか
おばあちゃんには、わからないのだそうです。
おばあちゃんは、産後すぐ赤ちゃんを連れて写真館に行き、
写真をとってもらい戦地に送ったのです。

手紙の中で、あんなにおなかの中の赤ちゃんを心配していた
おじいちゃんは娘の顔を見ることができなかったのに、
僕は娘の顔を今こうして見ていることができる。

戦争があったかなかったかで、
こうまでもひとの人生を左右してしまう……。

僕は娘の横顔を見ているこの瞬間瞬間が
とても大切に思えるようになりました。

この戦争、今日本が巻き込まれているこの戦争を
やめさせるために、
僕に何ができるのでしょう。

毎日、仕事が終われば、すぐうちに帰りご飯をつくるこの僕にも
何かできることがきっとあると思っています。
今、この雑文を、あなたに読んでもらってるのも、
その一つのはず……。

Peace (^_-)v


| | Comments (0) | TrackBack (0)

娘と見ました

「僕と彼女の彼女の生きる道」
先週は、途中で寝てしまった娘ですが、今週は起きてました。
あのドラマ、すごく懐かしい気持ちになるのです。
わずか一年ちょっと前のことですが。
隣の娘もそのようでした。

(でも、剛君、料理がんばろうよ。このHPのレシピ集でも見てさ)

今日、主人公の娘のりんちゃんが言ってましたよね。
「三人で暮らしたい。パパとママと」
そのあたりから、僕は少しはらはらしてしまいました。

娘は一言もしゃべらず、画面に釘付け。

僕も、最近、「三人がいい」と言われたばかり。
その時は、僕なりに、三人で暮らせないわけは話しました。

最後まで二人で見ましたが、娘はいたってクールでした。
最後の肉まんを食べていたシーン、
僕たちもよく肉まんを二人で食べたことを思い出しました。
「さ、もう寝よう」と僕が言うと、
「ハイ」と少し高い声で、りんちゃんを真似して、答えました。
「その前に歯を磨こう。わかったらピースだ」と、僕。
娘はピースをして、歯を磨きました。

僕たちもずいぶんいろいろ乗り越えてきたものです。

がんばれ、剛君。

それでは、Peace (^_^)v

(ドラマ見てない人、ごめんなさい)


| | Comments (0) | TrackBack (0)

ベランダガーデニング⑤

去年今頃、僕は生ゴミ処理機を買いました。
バイオ式です。
これで永年の悩みが解消されたのです。
生ゴミが、僕は大嫌いでした。(ま、好きな人はいないでしょうけど)

食べ物を、安心して、残すことができる。
これが一番うれしかったんです。
それまで、残さず食べて、娘の残したものも食べて、
いつもおなかがはち切れそうでしたから。

そして、何より、肥料が作れるということに感激。
食卓→残飯→肥料→ベランダ菜園→食卓!
なんてすてきなリサイクリング。

最初の頃は不思議でした。
生ゴミ入れても入れても、処理機がいっぱいにならない。
中に入っている土のようなものの中に
微生物がいっぱいいて、生ゴミをムシャムシャ食べていたのでしょう。

夏は臭いました。大変でした。
しかし、これも家庭菜園のため、我慢しました。

そのうち、使い方にも慣れてきました。
処理機の中の微生物たちにも、水をあげるようにしました。
処理機は、単に処理するものではないのです。
将来、畑で活躍する地球の人口以上の微生物たちが、育つ場なのです。
もちろん、微生物たちは見えないので、想像力が求められます。

うちのベランダでは、
前にはなんど植えても伸びなかった青ネギが、
今は、僕が何ヶ月もかけて育てた微生物たちに助けられて、
すくすくと伸びています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

参観日

明日(もう今日)は参観日。
午後から休みをとって、行ってきます。
僕の生徒たちには「明日は参観会だから自習プリントやってて」とお願いしてきました。
そしたら、生徒たちが、喜ぶこと、喜ぶこと。

今まで、参観日は皆出席です。
マラソン大会、学芸会、運動会もすべて見に行きました。

筏づくりなんてのもありました。
ある朝突然、「パパ、今日、小学校来て」と、娘が言いました。
娘は筏づくりの班のリーダーになり、張り切っていたようでした。
それは大変と、急きょ午前中仕事休む手はずを整え、小学校へ。
全員の保護者が来てると思ったら、
大工仕事が得意なおじいちゃんと、自営業のお父さんと、
専業主婦のお母さんが二人だけ。
娘にはめられたと思いながらも、いつしか筏工作に没頭しました。
そしたら娘の担任の先生に感謝されることされること。
その日はできあがらなかった筏、結局、浮かばなかったそうです。

調理実習のボランティアというのもありました。
お父さんは、僕一人だけ。
みじん切りの指導をするというもの。
シングルパパをなめてもらっちゃ、困ります。
日頃の包丁さばき、存分に子どもたちに見せつけてきました。
ちょうど見に来た校長先生にもほめられました。

お母さんたちの中にお父さんは僕一人だけ
そんな状況はよくありますが、
もうへっちゃらです。
いつもルック・アップ(顔を上げて、堂々と)

シングルパパをなめてもらっちゃ、困ります。

さ、ちょっとお洒落して、参観日行ってこよっと。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

僕の街の画廊

画家の西岡さんが、この街の画廊に行きたい、と言いました。

この街に画廊などあっただろうか…。
ここは工業の街。お洒落な喫茶店もないくらい。

お昼を食べた店できくと、
一つだけ、あるとのこと。
さっそく、行ってみました。

ありました。商店街のはずれに。
ショウウインドウの絵、
西岡さんがずっと見つめます。
そうとうの絵なのだそうです。
「鑑定団に出せますか?」
と、僕がきくと、笑顔でうなずきました。

その画廊には、きれいなおばあちゃんがいました。
僕の知っている画家の絵もありました。シャガールの絵。

そのおばあちゃんと少しおしゃべりしました。
僕がこの方は画家なんです、と僕が言うと、
「見れば、わかります」、とおばあちゃん。
僕は、画家と画廊主との会話をずっと聞いていました。

おばあちゃんは、戦争未亡人で、ずっと独身。
85才になる今も一人で、この画廊を経営しているそうです。
息子さんは、彫刻家で、ドイツ在住。
なかなか帰ってこないと言った時の顔は悲しそうでした。
「でも、さみしいときには、駅前に行くのよ」
駅前には、高さ二十メートルほどのオブジェがあります。
それは、息子さんが市長に頼まれて作ったものなのだそうです。

西岡さんと、そのオブジェを見に行きました。
これも芸術的に、なかなかのものなのだそうです。
制作費は、二千万円はかかるとのこと。

オブジェそのものの存在感よりも、その金額で、
すごいと思ってしまった僕は、まだまだ修行が足りないようです。

でも、この街に、
そんなすてきな画廊があって、
すてきなおばあちゃんがいるかと思うと、
誇らしげな気分になりました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

アートな日曜日

昨日は娘のいない日曜日。ママのところに行ったのです。

そしたら、画家の西岡民雄さんが、こちらに来るとの連絡。
西岡さんは、僕の本の表紙や、新聞連載中の挿絵を描いてくださった方。
最近、とても芸術性の高い絵本を出版したばかり。
「いのちのうた」(アスラン書房)です。
今日はサイン入りでプレゼントしてもらい、
つくづく小説を書いていてよかった、と感慨にふけりました。

連載中は、西岡さんが毎日どんな絵を描いてくれるか
娘と二人で、毎朝、楽しみにしていました。
娘に、パパの小説読んであげようか、と言うと
「絵だけいいの」と言われたこともあります。

西岡さんが、今回こちらに来た目的は
フクロウを見ること。
僕の住む街には、フクロウが見られるところがあるのです。
(しかもタダで)
 
僕はフクロウを見るのは、初めてのことでした。
その存在感、顔の表情、羽の配色の妙。
自然の創造力は、本当にすごい。
僕たちは、フクロウの前にいつまでも立っていました。

僕はとても感動するたちです。
「あいつの感動は、安っぽい。当てにならない」
と、からかわれたることもあります。
最近は、娘にも、冷ややかに見られるほど。

しかし、負けました。
西岡さん、僕よりもずっと感動する人でした。
子どものように喜んで、ときに話しかけたりもしながら、
フクロウに見入っていました。

僕はフクロウよりも、フクロウを見る西岡さんに、感動しました。
ひとを感動させる芸術家は、
まず感動する専門家でもあるのでしょう。

そして、帰り際、西岡さんにもう一つプレゼントをもらいました。
なんと、連載題一回目の挿絵の原画!!!!!!
僕の本の中表紙の絵です。僕が世界で一番好きな絵。
(実は、ねらってました。ずっと)

なんてすてきなアートな日曜日。
つくづく、小説を書いてきてよかった。
早く、額縁を買いに行かなくては…

 Peace (^_^)v

| | Comments (0) | TrackBack (0)

日記

娘が小学校に入学して、
僕がシングルになって、
二人で始めたことがあります。
それは、日記です。毎日、書きます。
 
娘は、僕が書かないと、絶対に書かないと言うので、
僕も仕方なく毎日書くことにしたのです。
娘の日記はハードカバーのもの。
僕はパソコンで書いていたのですが、
パソコンの故障ですべて消えてしまったことがあるので、
今は、僕もハードカバーの日記に毎日書いています。

もちろん、書けない日もあります。
そんな日は、次の日、二日分書きます。

今娘が書いている日記帳は、五冊目。
僕がまだ一冊目を書いているので、
娘はそれが自慢のようです。

月に一度、娘は、ママのところに行きます。
もちろん、日記帳を持って。
娘が帰ってくると、僕はすぐ娘の日記帳を開きます。
娘が彼女とどのように過ごしたか書いてあるからです。
きっと、彼女も、僕と同じように、日記を読んでいるのでしょう。

僕にとっても、彼女にとっても、
この日記は
お互いの不在を埋める大切なものになっています。

今日、娘はママのところに行っています。
先ほど、用もないのに、電話をかけてきました。
僕のことを、心配しているのです。

明朝、娘は元気いっぱいになって帰ってくるでしょう。
ママガソリンをまんたんにして
いつもよりたくさん字が書いてある日記を持って。



| | Comments (0) | TrackBack (0)

ベランダガーデニング④

夏が近づくにつれて、
ベランダに緑が増えてきました。

もう僕はうれしくて、うれしくて。
いちおう、娘もうれしそうにしてました。

僕たちがたまたま百円ショップに行ったときのこと。
ガーデニングコーナーがありました。
いいものがありました。
肥料です。もちろん、買いです。
早速、帰って、我が家の緑たちに
ごちそうをあげました。

ところが……。

肥料をかけた植物のほとんどが
次の日には、しおれてしまい、
しばらくすると、枯れてしまいました。

肥料はあげすぎると、こうなるのだそうです。
知らなかった……(T_T)

基本は、やはり、「待つ」ことのようです。
自ら育つ力を信じて、ひたすら待つ。

僕にできることは、
毎日、
必ず毎日
小さなことをしてあげて、あとは見守るだけ。

僕と娘は、枯れた緑たちをみて、悲しみました。

しかし、あのはげ山を見上げ、
もう一度、闘志を燃やし
また種を植え始めまたのです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

誰が決めたんでしょ?

子どもは9時間は眠らなくてはならない。
9時に寝て、6時に起きる。
よくそうアドバイスされました。
これができない親は、
ダメだ、とも。

僕もその通りやってみました。
夕方6時に迎えに行き、そのままスーパーへ。
うちに駆け込むと超簡単スピードレシピで夕食を準備。
すぐに宿題をやらせて、
風呂に入って、
明日の準備をさせて、
ベッドに入り、本を読み聞かせて、
9時には眠らせる。

僕は「はやく」を呪文のように娘に言い続けます。
そして、だんだん、イライラしてきて、
ついには「はやくしろ」と怒鳴ってしまいます。
すると、たいてい、娘は泣くか、逆ギレするか。

しかし、この2年間、9時に寝かしつけられたのは、
おそらく片手で数えられるくらいでしょう。

もうやめました。

それだと、僕と娘がコミュニケーションする時間は、
朝の1時間弱と、夜の3時間だけ。
たった4時間。
しかも、ずっと娘をせかし続ける…。
まるで最終コーナーを回った競走馬に鞭を入れるように。

これでは、幸せにはなれません。

睡眠時間はひとそれぞれ。
うちは、うちの中が楽しいので、
早寝してるヒマなんてありません。

9時間睡眠の呪縛が解かれ、
我が家は毎晩、オペラハウス状態。
よく歌う親子なんです。
時に、歌で会話したり、踊りも入ったり。

それにしても、毎日
朝眠たくて、昼間も眠たくて
それなのに、毎晩、目がぱっちり。
これはなぜ???  
 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

すてきなゴミ拾い

今日の一時間目はロングホームルーム
僕のクラスの男組の面々(含むヤンキー)と
学校周辺へ、ゴミ拾いに。

僕は一人でぶらぶらと歩き出しました。
右手に金ばさみ、左手にゴミ袋。

もう寒くありませんでした。
陽ざしもやわらかく、風もやさしい。
鳥の声が、あちらこちらから、聞こえます。
今まで、いかに自分が建物の中に閉じこめれていたわかります。

道ばたに梅が咲いていました。
ある家の花壇には、ローズマリーが。
なんと花が咲いていました。
小さな薄紫色の花が。
うちのベランダのローズマリーは
伸びればすぐ収穫されて、フライパンで焼かれてしまうので
花が咲くなどとは、思いもしませんでした。

大きな家がありました。外車が四台も停まっていました。
以前なら、どんな職業の人が住んでいるのか、収入はいくらか
そんなことを考えていたことでしょう。
今は、掃除が大変だろうな、とだけ思います。

僕は掃除が大変な大きな家は嫌いです。
自分が一人でちゃんとぎりぎりハウスキープできるくらいの
小さな家が好きなのです。

いろんなことを考えながら、歩いていると、
(もちろん、時にゴミをひろいながら)
いつのまにか時間に!
男組の面々(含むヤンキー)が退屈そうに僕を待っていました。

もう春です。

Peace (..)V

| | Comments (0) | TrackBack (0)

二月の朝

僕は二月の朝が好き。

一月の朝、六時半は真っ暗。
ストーブのタイマーをセットして
ベッドルームを暖めておかなくては
とてもベッドから出られません。
寒がりの僕は、
キッチンのストーブのタイマーもセットして
温めておきます。
灯りをつけ、朝食の準備。
朝食を作り終え、弁当にとりかかるころ、
ようやく明るくなります。

二月、もうこのごろでは、
六時半には明るくなりはじめています。
ストーブはあいかわらずタイマーをセットしますが
朝の冷え込みは、やわらいできます。
もう、確実に、春の予感がします。
そんな二月の朝が好きなのです。

ベランダにも出やすくなりました。
緑たちに会いに行くのも、
苦痛ではなくなってきました。
これが、一番うれしいのです。

シングルファーザーデビュー前は、
七時半に起きていたので、朝は明るいものだと思っていたし、
ベランダにも出ないので、この空気の変化にも無頓着でした。

地球の息吹を感じられるこんな朝、
それまで僕の人生にはなかった幸せを感じるのです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

「男の料理」

まったく…
料理に、男も女もありません。
あるのは、愛情がつまっているか、つまってないか。
それだけ。

たまの休日に、贅沢な食材を使って、豪快に作る。
うまいに決まっています。

料理というのは、たまのことではなく、
毎日のことなのです。しかも1日3回。
一年なら、1000回以上。
僕の学校の授業数より多い!

味だけでなく、コスト、栄養価なども大切な要素。
もっとも大事なのは、メニューの配置。
一週間だけでも、1日3回、21回もあるのです。
安く作る日もあれば、栄養重視の日もあり、
時にスピードを最優先する日も。

僕はあまり気にしてませんが、
子どもが給食で何を食べているかも重要。
夜カレーをつくり、
「パパ、またカレー、昼もカレーだった」
なんてことよくあります。
そして、翌朝もカレー。パンにつけて食べます。
こうなると、当分、カレーは嫌になります。
そして、実家に行ったら
「今日はカレー作ってあげたよ。ジローたちの好物でしょ」
もう、カレーは嫌いなものに……。

どんなに大好物でも、
三日続けて出てきたら、嫌いになります。
だから、大好物のメニューを作るときには、
前後にまずいメニューを置かなくてはなりません。
毎日おいしいものを出してもだめ。
おいしいが、普通になってしまうから。
まずい料理を、いかに上手に、メニューに配置するか。
これが、実は、おいしい料理のコツ。

つい、熱くなってしましました<(_ _)>

これからもおいしいものつくろうっと。
あ、そのためにまずいものつくろうっと。

Peace (・・)v

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ダッシュじゃない朝ご飯

娘の憧れていること。
それは、早起きすることなんだそうです。
クラスの子は、ほとんどが早起きだそうで。

昨夜、娘は、翌朝、早く起きることをかたく決意して寝ました。
トリビアを見た後、なんだかんだで、十時半くらいに眠ったくせに。

朝、六時からアラームが鳴ります。
スヌーズ機能があるので、
五分眠ってはアラーム、アラームを止めてはまた眠る。
これを5セット繰り返して、ようやく起きました。

娘は、昨夜の決意を思い出したのか、
僕より先にベッドを出ました。
これは、めったにないことなんです。
二年生になって、三回目のこと。
一回目は二年生初日、二回目は遠足の日。

朝ご飯もつくってくれるとのこと。
僕はダッシュで朝ご飯③のレシピを指示。
ベーコンエッグ。
黄身が崩れてしまいました。
「いいの、いいの、味は変わらないんだから」
と、娘。
僕がよく言う言葉。

今日はゆったり朝ご飯。

そして、

娘は、この前は残した黄身を、
今日はちゃんと食べたのです。

朝ご飯をつくってくれ、
しかも苦手な黄身も食べてくれて、
なんてすてきなダッシュじゃない朝ご飯。
朝から僕は娘を抱きしめました。
娘はなぜ抱きしめられているか分からず、困惑した表情。

それでは、昼間のおつとめ、いってまいります。
ちなみに僕の朝ご飯のおかずは、昨夜の残りもののポトフ。
さらにおいしくなっていました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

愛の反対語

今日は朝から娘を泣かせてしまいました。
娘が寝室のストーブの前で着替えをしていて、
僕はダイニングキッチンで、朝食と弁当づくり。
ノリのいい音楽を聴きながら、絶品弁当に挑戦していました。

いつまで経っても、娘が朝食を食べに来ないのです。
イライラし始めて、寝室に様子を見に行くと、
娘は、ストーブの前で、両膝を抱えて泣いているのです。
僕に気づくと、娘は怒りました。
「なんで、呼んでも来てくれないの」
「・・・・?」
「何度も大きい声で呼んだのに」
また膝の間に顔を埋めて、泣き続けました。
「聞こえなかったよ。呼んだの?」
「大きな声で呼んだって言ってるでしょ」
音楽で聞こえなかったのです。
何度もあやまり、許してもらい、ようやく朝食。

朝食を食べて、実験をしました。
僕が寝室に行き、娘がダイニングに残る。音楽はかけたまま。
僕は寝室からちょっと大きな声で娘を呼びました。
娘はすぐに飛んできました。
僕はもう一度あやまりました。

愛の反対語は?
僕はずっと憎しみだと思っていました。
ある同僚に、教えてもらいました。
愛の反対語、それは無視なんだよ、と。

娘は、もちろん、うちを出るまでには、機嫌が直りました。
僕は、娘の服のコーディネートをアドバイスしました。
それが、僕を呼んだ理由だったからです。

今日も元気に娘は学校へ。
僕はさらに音楽のボリュームをあげて、
楽しい弁当づくりを続けました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

はー、おもしろかった

「僕と彼女と彼女の生きる道」
今日もおもしろかったですね。
娘もがんばって見てましたが、途中で寝てしまいました。

僕はあのドラマ見ていると、なつかしくなります。
たった一年前のことですが。

離婚したての頃は、本当に大変でした。
まず、仕事を減らさなければいけないし、
家事も覚えなくてはならないし、
とにかく、強くならなくてはならないし…
(今は脳天気ぶりに磨きがかかり、無敵ですが(..)v )

僕もミキサーで、ジュースつくりまくりました。
(バナナジュース、あんなに蜂蜜入れたら、甘過ぎだよ)
今日、剛くんが、言ってました。
「料理に挑戦。パパはきっとうまいと思うよ」
同じこと、言った、言った。
がんばれ、剛くん。

今、四時間かけて、牛筋ポトフつくったシングル二年生でした。
(一晩おいて味が染みておいしくなったら、レシピに載せます)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

スローアップ②

去年の夏
僕は娘とコンサートに行きました。
一人、8500円、計17000円なり。
なかなかの出費ですが、
しかたありません。
うちのモットーは、
「感動には、金と労力を惜しまない」
ですから。

僕はとにかく急いでいました。
仕事が終わるとすぐ駐車場へ。
あせりまくって、ハンドルをまわして、アクセルを踏むと

ガツン

隣に停めてあった同僚の車にぶつけてしまったのです。
すぐに職員室に戻り、謝罪してきました。
あとで請求書をまわしてください、と。
落ちこむ間もなく、学童へ娘のお迎え。

車で行く予定でしたが、
結局、間に合わないので、新幹線。
駐車料金プラスガソリン代の倍以上!

娘の手をひき、走りまくって、
ぎりぎり開演に間にあいました。
夕食は屈辱のマクドナルド。

もちろん、コンサートは、すばらしいものでした。
(娘は最後眠ってしまいましたが…)
コンサート中は、すっかり車のことは忘れていたほど。

でも、結局、急いで、あせったばっかりに
かえって、遅くなってしまったのです。
お金もかかりました。
同僚の車の修理代。二万三千円なり。


あらためて、スローアップ。
今も、僕の車はへこんだまま。
修理するつもりはありません。
それを見るたびに、自分に言い聞かせるのです。

スローアップ、と。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

スローアップ① 

ある土曜の午前中。
いつものようにワイシャツにアイロンがけ。
急いでちゃっちゃとかけようと思ったら、
しわが寄って、その上をプレスしてしまいました。
ふー。
そういえば、ビデオをかけていなかった。
いつもの「紅の豚」を見ながら、アイロンを再開しました。
今度は、ゆっくりと、アイロンを動かしました。
今度はうまくいきました。
アイロンは、ゆっくり、かけなくてはいけません。
たとえ、急いでいても。

その時、僕の体に、小さな雷が落ちました。
スローで行け、と。
これが、スローライフへの第一歩でした。

スローダウン?
ダウンは下、ちょっと響きが悪いので
スローアップ。
これからは、スローアップで行くことにしました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ラッキーな夜

今日は、早めに帰ってきて、
絶品カレーうどんにとりかかりました。
娘はソファで「プリンプリン物語」を見始めました。
 
ようやく、夕食ができあがり、振り向くと
娘はすやすや。

よくあるのです。
娘は一度眠ると、絶対に目を覚ましません。
週末、遅寝遅起きをすると、月曜日がつらいようです。

せっかくのカレーうどん
幸い、うどんはまだ茹でてなかったので、
一人分だけ茹でて、食べました。
カレーは残りましたが、また明日食べることにします。

娘をソファから、ベッドに運ぼうと、抱き上げると、
娘は、意味不明の、何語かわからないことを、言い出しました。
目を覚ましたのかと思うと、夢の途中でした。

さ、娘が寝たので、
今日はゆっくり自分の時間です。
何しようかな 

Peace (^_^)v

| | Comments (0) | TrackBack (0)

早めのお迎え

今日は、いつもより早く、
学童に娘を迎えに行きました。

娘は、グランドで、サッカーをしていました。
娘を呼ばず、しばらく眺めていました。
すると、近くでボールで、遊んでいて子たちが
近づいてきたので、一緒にサッカーをしました。
そして、僕を見つけた娘も、合流して
サッカーの試合に。
男組VS女組。

始まるとすぐ、娘の顔にボールが当たり、泣き出してしまいました。
少し中断。
僕が抱き上げてなだめようとすると、
娘は拒否して、復活。
試合再開。
僕はちょっとマジになり、もちろん男組が勝利。

僕は娘の友達が大好き。
参観会に行くと、いつもまとわりついてきて、
娘と話をすることもできません。
娘のクラスメイト
いつしか、名前を全員覚えてしまいました。
 
娘の小学校は、一学年一学級。
娘のクラスは、27人。
学校の自慢は、探検ができる裏山。
すてきな学校です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

おばあちゃん

週末は、実家に行きました。
おばあちゃんは、僕に生チョコをくれました。おいしかった!

日曜日、おばあちゃんは、美容院に行きました。
帰ってきたおばあちゃんを見て、びっくり。
イメージチェンジ。
おばあちゃんの髪はきれいな真っ白で
これまでは、ウェーブのふわふわ頭でした。
そのため、娘はおばあちゃん(娘にとっては曾祖母)のことを、
僕の母と区別して、
「ふわふわのおばあちゃん」と呼びます。
その髪が、ストレートになり、全体に後ろに流れ、
七三にわかれていました。
まるで、宝塚の男役の髪のよう。
なかなか、かっこよいのです。

「おばあちゃん、けっこういいじゃん」
「ほうか」
少し、照れてました。

僕のおばあちゃんは、自慢のおばあちゃんです。
84才ですが、いまだにお洒落で、
時々、飲みに行ったりもします。
世のおばあちゃんの中では、なかなかの美人。

僕にはとてもやさしいおばあちゃん。
スーツを何着か買ってくれたし、
海外旅行も二人で三回行きました。

そういえば、おばあちゃんもシングルペアレント。
おじいちゃんが戦死してから、ずっと独身。

母の話によると、実は、恋多き女だったようです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

初めてのスローフード④

スローフーダーを目指す僕は、
スーパーに行った時の意識が変わってきました。

とにかく、近くのもの、季節のもの。

中国産の3個入りのニンニクを前にして
その誘惑になんとかうち勝って
それより高い青森産のニンニクを1個手にとる。

僕は、つい、ほかのお客さんが何を買うかも
チェックしてしまいます。

作業服を着たおじさんが
かごに焼酎と刺身のパックを入れているのを見ると、
明日もがんばって、と声をかけたくなります。

魚を買っていくおばあちゃんを見ると
煮物の奥の深さを思います。

そして、きれいなマダムが
冷凍食品とお惣菜を
かごに山盛りしていると、
「よし勝った」、とひとり微笑みます。

買ったものは、マイバッグに入れてもらいます。
かごの大きさと同じものを使っています。
空のかごにセットすると、
レジのひとが、上手に商品を並べて入れてくれます。

スローフーダーたるもの
スーパーでは気が抜けません。

今日も、スーパーへ、勝負に行くぞ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ベランダガーデニング③

うちのベランダから、お茶畑が見渡せます。
その向こうには、高くはありませんが山並みが見えます。

ベランダの手すりのハンギングバスケット越しに見ると、
ちょっとした「借景」です。

さて、去年の春
ベランダに出ていた娘が騒ぎはじめました。
「パパ、たいへん、山が、山が」
キッチンから、急いで、ベランダに出てみると、
山がひとつ、茶色くなっているのです。
よく見ると、その山には、黄色いブルドーザーが…。

ごみ処理場と公園ができることになったのだそうです。
 
毎日のように、僕たちは山を観察しました。
その山がひとつ、ごっそり、なくなってしまいました。
あの借景の中心にあった山が…

僕たちはかたく誓い合いました。
このベランダで植物を育て、
あのなくなった緑のぶんを取り戻そう、と。

ベランダガーデニング
もう、たたかいになってきました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

うちへ帰ろう

このごろ娘がよく口ずさんでいます。
♪さよなら~さよなら~さあ、うちへかえろう…
シチューのCMソング。
僕はあれが大好き。

そのCMがかかると、すぐ娘が教えてくれ
僕はやっていることをすべて中断して
全神経を集中させてテレビを見ます。
昭和の時代の町並み。
あの木の雨戸、僕の実家にもありました。

僕はたそがれ時が好き。
仕事を終らせて、
終わってなくても、終わったことにして
娘を迎えに行き、スーパーに寄って、
早くあたたかいうちに帰って
おいしい晩ごはんを食べよう。
この気分が大好き。

先日、ある写真集を買いました。
「ぼくが見た戦争」
イラク戦争の写真集。
日本人写真家の本で、文もなかなか。

彼が言います。
従軍したアメリカ兵の一番の願いは
「早くうちに帰りたい」
敵を殺してやる、なんて気負っている兵士は
彼のまわりには一人もいなかった、と。
ただ、ただ、うちに帰りたがっていたそうです。

早く世界中の兵士が
うちに帰れますよう Peace(..)v

| | Comments (0) | TrackBack (0)

今年のチョコ第1号

昨日、娘を学童保育所に迎えにいった時のことです。
「パパ、これ」
チョコレート。
娘は、学童で出るおやつを少し残しておいてくれたのです。
「ありがと。これもしかして…」
「そ、バレンタインチョコだよ」
これで、とりあえず、今年のチョコ一つ確保。
ほっとしました。
「パパ、それ義理チョコ。ホワイトデーよろしくね。クッキー」
僕の絶品手作りクッキーは、娘の大好物。
僕は笑顔で答えました。
「OK。パパがクッキー誰かにもらったら、残してといてあげるよ。」


さ、今日もベッキーのチョコでも、もらいに行ってくるかな。


| | Comments (0) | TrackBack (0)

ベッキーのチョコ

僕が小学校4年生の時のバレンタインデー。
チョコなどまったく期待していなかった僕は
冬空の下、友達と外で遊びまくっていました。

うちに帰ると母が言いました。
「女の子がチョコ持ってきてくれたよ」
「え、どんな女の子?」
「ベッキーみたいなかわいい女の子だったよ」
ベッキーとは、トムソーヤの恋人。
僕はその頃「トムソーヤの冒険」を母に読まされていたのです。
思えば、母は教育ママでした。
チョコを包む紙には、Dear Jiroと書かれていました。

次の年のバレンタインデー、
またもや、外で遊んで帰ってきたら
ベッキーのチョコが届いていました。
その次の年も、またその次の年も…。
毎年、うちの郵便受けにチョコが入っていました。
箱にはいつもDear Jiro。

そのチョコは母がこっそり入れているに違いない。
僕は何度も母を疑いました。
母は、絶対に違うと、断固否定しました。

チョコを一つももらえずにうちにかえっても、
郵便受けにはいつもベッキーのチョコがありました。
この世界のどこかで、
いつも僕を思っているベッキーがいる。
ベッキーのおかげで、
バレンタインデーでさみしい思いをしたことは
一度もありませんでした。

僕は大学生になり、生まれ故郷を離れました。
バレンタインデー、一人暮らしのアパートで、
僕はベッキーのことを思っていました。
もうここまではベッキーはチョコを届けられないだろう。

その時、宅急便が届きました。
母からでした。
チョコらしき包み。
そして、その包みには、こう書かれていました。


Dear Jiro.


ベッキーは、今も、たしかに、僕を愛してくれています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

突然、涙が…

昨日の朝のことです。

ふとおじいちゃんのことを考えながら、
車の運転をしていました。
出勤途上のことです。
カーステレオからは、めずらしくムーディな曲。

この頃、夜、一人キッチンテーブルで手紙を読みます。
60年も前におじいちゃんが書いたおばあちゃん宛の恋文。
渥美家の家宝を、先日、もらい受けたのです。
前日の深夜に読んだ手紙の中で、
おじいちゃんは、戦地フィリピンのテントの中で、
おばあちゃんのおなかの中のまだ見ぬ我が子(僕の母)のことを思っていました。
おじいちゃんは、まだ28才。

おばあちゃんは、僕に言いました。
「これが最後になるかもしれないっていつも言ってただよ。
別れるときにはいつも形見に爪を切って置いてっただよ」
おじいちゃんが召集されてから二人が会ったのは、
フィリピンに行って戦死する前に、三回だけ。

愛する人に会って、これが最後になるかもしれないなんて、
僕は一度も思ったことはありません。
これからもずっと何回も会えることに
何の疑問も感じたことはありません。

今、目の前にいる最愛のひとにもう会えなくなるかもしれない…

おじいちゃんは、おばあちゃんに会うたび、
そう思っていたはず。

そのことに、ふと気づくと、涙が止まらなくなったのです。
学校に着くまで涙が止まらず、
本当に困ってしまいました。

今週は、こんな朝もありました。   Peace(..)v

| | Comments (0) | TrackBack (0)

スナックゆみ

僕は毎朝、車で出勤します。
アップテンポで重低音の音楽を聴きながら。大音量で。

いつも、赤い看板のいかにも艶っぽいお店の前を通ります。
スナックゆみ。
夜、呑みに来て、ママのゆみさんに会って癒される人もいるんだろうなあ。
中には、ママを口説くスケベおやじもいるんだろうなあ。
そんなことをいつも想いながら、通り過ぎていました。

このご時世、飲み屋をやっていくのは、とても大変だそうです。
ここは、田舎で、多くのお客さんは車で飲みに行きます。
ほとんどのお店は駐車場完備。
最近の道路交通法改正は、そんな飲み屋さんにとってはそうとうの痛手。
飲酒運転、罰金50万円也。
閉店してしまったお店もたくさんあるようです。

今朝、いつものようにそのスナックゆみの前を通ると、
「営業中」ののぼりが立っていました。
お店のドアの前に、張り紙がありました。
「朝定食始めました」

いいじゃないですか。
ここに、この不況とガチンコでたたかっているゆみさんがいる!
夜遅くまでお店をやっているのに
次の朝早く起きて、朝ご飯をつくるゆみさん。

僕もがんばらなくっちゃ。
朝から気合いが入りました。

ママさん、僕もがんばるよ。

今度、娘と行こうかな…。やっぱ、むりかな。


| | Comments (0) | TrackBack (0)

カフェのような授業

今日、高校三年生の一年間の授業が終わりました。
テストを返して、少しおしゃべりして、
最後に、卒業しても、ジロー's カフェで会おうと言って別れました。

選択授業だったので、生徒は12人だけ。
とてもアットホームな授業でした。
僕はいつも授業の予習を中途半端で出かけました。
そして、生徒たちと一緒に授業中悩むのです。

内容は、僕が持ってきたものを読んで、語るというものでした。

「世界が100人の村だったら」
これは有名ですよね。世界がいかに不公平かわかります。
「スヌーピー」これは時間かけました。本当、奥が深い。
いろんなキャラが本当に個性的で、哲学的。
「おおきな木(The Giving Tree)」。
文句なしの傑作。愛とは何かがテーマ。
「パパのカノジョは(Totally Uncool)」
主人公は、シングルファーザー。娘とカノジョの微妙な関係。
他にもいろいろ。

高校生たちと、一緒に悩みながら、読むと
僕が読み落としていたことにたくさん気づかされ、
僕も勉強になりました。

やっぱり、少人数クラスは、すてきです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

プロジェクトX

あれ、よく見ます。
そして、よく泣きます。
本当、感動的です。

あの歌もよいですね。♪風の中のすばる~
もちろん、CD持ってます。
仕事行く前、よく聞いて、気合いを入れたものです。

でも、時々、疑問に思うようになりました。
あのひとたち、あんなにがんばっていて、
いったい、いつうちに帰ってるの?

毎日、五時になると、近くにいる同僚や、生徒に
「晩ご飯何食べたい?」なんて尋ねて
晩ご飯のメニューを決めているような僕にはできないことです。
絶対に。

今日の夕食は、ジャズを聴きながら、パスタ。
二人でレストランみたいだねえ、と。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

暴力の連鎖

シングルファーザー二年目にして、
ようやく、やめられたことがあります。
それは、娘を叩くことです。

僕は、教師としては、当然体罰などはしたことないのですが、
娘に対してだけは、とても感情的になり、
叩いてしまうことがけっこう、あったのです。
それも、たいてい、ささいなことで。

叩くと娘は泣きます。
エンドレスに泣きます。
なだめにいかなければ、
ほんと、寝つくまで泣き続けます。

やがて、娘が泣きやむと、いつも僕に言います。
「パパ、一回は一回ね」
娘は叩き返すのです。絶対に、どんなことがあっても。
叩かせてあげないと、次の行動には絶対にうつらなくて、
生活がなりたたなくなるので、叩かせてあげるしかないのです。

娘は、僕のおしりを平手で叩きます。思いっきり。
どういうわけか、ズボンの上からはだめで、
直に叩かないと、許してくれません。
他の叩き方では、絶対、納得しないのです。
そして、泣く泣く‥‥

僕はそんな屈辱にもうこれ以上耐えられないので、
叩くのをやめたのです。
それに、暴力に決して屈しない娘を
尊敬さえするようになりました。

まったく、暴力は何も解決しない。
娘を叩いても、何も得るものはない。
ようやく、そんな当たり前のことに気づいたのです。

Peace (・・)v

| | Comments (0) | TrackBack (0)

初めてのスローフード③

コンビニでお菓子を買ってきて、
ソファでボリボリ食べる。
これもスローフーダーにはふさわしくないでしょう。

そこで、はじめたのが、クッキー作り。
数々の失敗を乗り越え、
ここでも紹介した絶品クッキーを作れるようになりました。

娘の友達が来たときには、いつも手作りクッキーでおもてなし。
帰りにも、手作りクッキーのお土産。

そのクッキー、とても評判になり
うちでクッキー教室を開くことになりました。

娘の友達が、三人もやってきました。
みんなエプロンとバンダナを持ってきていました。
そんな彼女たちのかわいいこと、かわいいこと。

とにかく一番難しかったことは
いつも全員に何かしら仕事をさせてあげること。
粉ふるい、混ぜ混ぜ、洗い物、片付け、テーブル拭きなど。
誰一人ひまにしてはいけません。

ちょっと目を離すと、タネを味見と言って、
舐めはじめるのにも、困りました。

やがて、絶品クッキーができあがり、僕が言いました。
「じゃみんな家族のぶん持ってっていいよ」
一人、涙目の子がいました。
僕の娘。「うちは二つしかないよ~」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

初めてのスローフード②

マクドナルドに行くのをやめれば、
すぐにスローフーダーになれるかというと、
もちろん、そうはいきません。

もうひとつやめることにしました。
それは、冷凍食品です。
レンジでチンですぐできる。これはスローじゃありません。

冷凍食品は、幸いにも、すぐにやめることができました。
なぜなら、あらゆる種類のものを食べ尽くし、
飽きてしまっていたからです。
だから、すんなり、やめることができました。

これで二歩、スローフーダーに近づくことができたのです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ベランダガーデニング③

ベランダガーデニングを始めるまで、
いつも朝はアップテンポの音楽を聞いていましたが、
朝食の時、音楽を消して、
サッシの戸を開けっ放しにするようになりました。
朝のコーヒーを飲みながら、葉っぱや花を眺めるのです。
音楽がなくなると、聞こえてきました。
鳥の声が。それも何種類も。
それまで全く気づかなかったことです。

僕は折り畳みの小さな椅子をベランダに置いて、
そこで朝のお茶をするようになりました。
今までに感じたことのない時間が流れるようになりました。
植物の時間といったらよいのでしょうか。

僕はそれまで動物の時間を生きていました。
つまり、すぐ効果が見え、すぐ結果が出る時間。
犬に、おすわりを教えたことがあります。
食べ物をご褒美にすると、一時間もあれば覚えます。

植物の時間は違います。
だいたい、こちらの期待には無関心。
僕のできることは、毎日、少しずつ世話をするだけ。
それでも、一週間もすれば、確実に成長していく。
そんな植物の時間が好きになりました。

出勤前のしばしの間、
やがて始まる動物の時間の前に、
僕はベランダでお茶をします。

帰ってきたら、体内時計を植物の時間に直すため、
ネクタイをゆるめて、ベランダの椅子に座るのです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

さよなら in English

この頃知ったのですが、
英語の別れのあいさつにはいろいろあるそうです。
See you. Bye.あたりはよく知られてますよね。

So longというのも聞いたことがあります。
アラビア語のさよならの発音に、英単語をあてたものだそうです。

中でも僕が気に入ったのは、peaceです。
日本人は、写真を撮るときなどに使いますよね。
English speakerは、こういうふうには使わないそうで、
別れるときに、Vサインをして、ピースというのです。

これ、いいじゃないですか。
昨日、自衛隊員が「歴史をつくりに」イラク入りしたばかりの
今日この頃には。

それでは、ここまで読んでくださった方々へ

So long. そして… Peace (^_^)v 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ベランダガーデニング②

娘と暮らし始めて、二回目の春がやってきました。
娘は小学校二年生、僕はシングルファーザー二年生。
また温かくなって、またガーデニングを再開することにしました。
朝顔のない一学期など、信じられなかったのです。
去年、収穫した朝顔の種は、一年後に再会を約束したにもかかわらず、
どこを探しても見つかりません。
泣く泣くホームセンターに買いに行きました。

去年の使ったプランターにとりあえず、種をまきました。
それまで気がつかなかったのですが、ベランダの隅に、
プランターやハンギングバスケットなどがあったのです。
離婚した彼女も、ベランダで何か育てていたのです。
そういえば彼女は毎朝ベランダに出て、
植物たちに「おはよう」と言っていました。

花屋に行きました。
ちょっと洒落た鉢や、苗を買ってきました。
ペチュニア、アイビー、カンパニアアルペンブルー、イソトマなど。
野菜も育てることにしました。
オクラ、プチトマト、そしてハーブをいくつか。
それからハムスターのために、ひまわりも。

一人盛り上がる僕を、冷ややかに見る娘。
当然、家族として、手伝わせました。
うちの近くに生えている雑草も引っこ抜いて、
ベランダの鉢に引っ越してきてもらいました。
娘は、ねこじゃらしを育てることにしたようです。

いつしか、毎朝、僕もベランダの植物たちに
「おはよう」と挨拶するようになっていました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

日曜の昼下がり

昨夜から、突然、うちのパソコンがネット使用不可に!
理由はさっぱりわからない。
とにかく、つながらない。
ニフティになにかあったのかな。

というわけで、HPの更新のため、
インターネットカフェに来ている。
僕の住む町にこういうところがあるとは、知らなかった。
ドリンクバーがあって、一時間400円。

娘はというと、僕の隣りのブースで、インターネット。
「お茶犬」のHPを一生懸命見ている。
ヘッドホンをつけて、マウス片手に、その目は真剣だ。

今日は実家に来ている。
夕食は、豚汁と焼き魚、その買い出しの途中にここに来てしまった。
早く帰らないと、おばあちゃん(娘の曾祖母)に怒られてしまう~。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

土曜日のアイロン

土曜日の朝が、僕は好きだ。
まず、寝る。とにかく、寝る。
十時近く、僕はようやく、ベッドを出る。
娘に声をかけると、まだ寝るとのこと。
ベランダに出て、植物たちに会いに行く。
冬でも、ベランダには、多少緑があって、
意外にやることがある。
主に土作りなど。春に備えて。
(詳しくはまだ書いてないベランダガーデング②以降で)
娘が昼ごろ、おなかすいたと、起きてくる。
それで遅めのブランチ。ピザトースト。
パンに、ハム、ピザソース(なければケチャップッとマヨネーズ)、スライスチーズをのせて、チン。これがうまい。

土曜日の朝というか昼ごろ、
「紅の豚」を見ながら、アイロンをかけるのが僕は好きだ。
なんど見たか分からない。他のビデオではだめなのだ。
僕も娘も、この映画だけは、飽きることがないようだ。
僕は平日、自分でアイロンをかけたワイシャツを着る。
自分でアイロンをかけたワイシャツを着ていると、
いつもイージーゴーイングな僕でも、少しは気合が入る。
僕はこの気分が好き。大事にしたい気分だ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

すてきなフライデイナイト

金曜日はすてきだ。
僕はいつもより時間をかけて夕食をつくり、
娘は勉強は休み、「ドラえもん」「わたしんち」とアニメ三昧。
8時から「ザ・ジャッジ」を一緒に見る。
娘はこれがやけ好き。小二にして、慰謝料なんてこと知ってる。
毎回、離婚のトラブルの再現フィルムがある。
この前は、夫が浮気して、
娘と動物園に行く約束を破ってしまう話。
僕たちは画面に向かって叫びまくった。
「そんなやつとは別れろ」と僕。
「ママがかわいそ。慰謝料払え」と娘。
それから、僕はパソコン、娘は工作。
気づいたら、12時過ぎ!
僕たちはこんな金曜日が大好き。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

本当は怖いディズニー映画

以前、ディズニー映画を、二本立て続けに見ました。
トレジャープラネットとジャングルブック
その二つがとても似ていました。

まずヒーローが出てくる。
そして、悪役が出てくる。
ヒーローはもちろん正義の味方、
見ているうちに、悪役なんて死んでしまえ、と思う。
そして、ヒーローに悪役をやっつけてほしい、と願う。
さまざまなピンチを切り抜け、
望み通り、ヒーローは悪役を殺し、スカッとする。
最後は、とてもきれいなヒロインと結ばれ、
二人はいつまでも幸せに……。
登場人物を代えるだけで、いくつも映画が作れちゃいます。

このパターン、ブッシュも使ってますよね。
アメリカはもともと正義の味方。
悪役は次から次へと出てくる。
ブッシュの従兄弟がいるフォックステレビなんか使えば簡単。
殺せ、殺せ、そして戦争。
そして、アメリカはいつまでも幸せに……。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ベランダガーデニング①

僕のアパートには、ベランダがあります。
以前は、ただのもの干し場。またはゴミ置き場。

そんなベランダに、娘が一年生の時、朝顔を育てました。
小学校の宿題でした。
最初の一輪が咲くまでの緊張感。
次は何色の花が咲くかの期待感。
秋になると、寒さに凍えそうな蕾を応援するために、
毎朝ベランダに行きました。
そして、最後に種を収穫して、翌年の再会を約束。
ベランダの柵にからみついた蔓は
茶色くなるまで放っておいて
クリスマスのリースに使いました。
これも学校の宿題。
学校はたいせつなことを教えてくれます。

なんてすてきな、ベランダガーデニング!
と、感動したのですが、
冬になると、
また灰色ののコンクリートの
もの干し場兼ゴミ捨て場になってしまいました。

to be continued

| | Comments (0) | TrackBack (0)

初めてのスローフード①

スローフードって何だろうと思い、その手の本を読んでみました。
伝統あるローマに、マクドナルドができて、
あるイタリア人が大変ショックを受けたそうです。
世界中どこでも同じ味、しかもすぐに(fast)。
それで、イタリアの片田舎からスローフード運動が起こったそうです。
つまり、その土地その土地の、しかも旬のものを食べる。
調理は、もちろん、じっくり手間をかけて。
シンボルマークは、カタツムリ。打倒マック!

僕はとりあえず、マクドナルドに行くのを控えることにしました。
しかしこれには、大きな抵抗勢力が…。
娘は、ディズニーグッズなどのハッピーセットが大好き。
まさに"I'm lovin' it"状態。
アメリカ資本は本当に商売が上手。とてもかないません。
僕は泣かれても絶対マックに行かないので、
娘は、母親に会いに行った時に、連れていってもらっているようです。
この前、おもちゃを持って帰ってきて、それにMの刻印がありましたから。

少し話が変わりますが、
アメリカがアフガンを空爆し始めたとき、
頭に来た僕は、もうアメリカ製品は買わないぞ、と決めました。
しかし、その時、すでに僕の膝の上にはマイクロソフトウインドウズが…

スローフーダーになるには、
まず、アメリカ資本とたたかわなくてはなりません。
強敵です。
さからうと、空爆されます。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

にんじんのへた

シングルファーザーになったばかりのころ
捨てようと思ったにんじんのへたを、
ふと、水をはった小皿の中に置いてみました。
二、三日放っておいたのですが、
忘れた頃に、芽が出てきたのです。
毎日、少しずつ水をあげました。
すると、葉っぱが十センチくらい伸びたのです。それも四、五本。
そんなことに、すごく感動しました。

ワーカホリックでいつも忙しかった頃、
僕は自分のことばかり考えていました。
口では社会のためなどと言って。
そのころの僕は、すぐに結果を求めていました。
結果の出そうもないことには、手をつけませんでした

ところが、にんじんのへたを育てて(?)、僕の中の何かが変わりました。
次の日見ても変わってないけど、
何日かすると、少しだけですが、確実に変わっていくにんじんのへた。
にんじんのへたは、こちらの言うことをきいてくれません。 
僕はただ環境を整えてあげて、信じて、待つだけ。
ひたすら、信じて、待つ。少しずつだけど、毎日必ず世話をする。

僕の中に、新しい体内時計が生まれました。
今では、僕のうちのベランダは植物でいっぱい。
チューリップが、少しだけ芽を出して、じっと寒さに耐えています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ルック・アップ

 この言葉を、僕はよく心の中で言います。僕を励ます言葉です。
 この言葉に出会ったのは、高校教師の僕が使っている教科書の中でした。薬害でエイズに感染したライアン・ホワイト君のお母さんが、彼に言った言葉です。彼は病気だけでなく、差別ともたたかっていました。通っていた高校から拒絶され、、復学を目指し、裁判闘争を続けたのです。
 ルック・アップとは、「顔を上げて、堂々としていなさい」という意味です。look upという簡単な単語の熟語に、そんな意味があることを、僕はその時初めて知りました。
 ライアン君は、もちろん、勝利し、高校に戻ることができました。そして18歳で生涯を終えるまで、仲間と学んだのです。
 僕の人生は、負けばかり、失敗ばかり。
 でも、負けたり失敗したりすることは、決して恥じることではありません。勝負した結果負けたり、挑戦した結果失敗したりしても、また立ち上がればよいのです。あきらめずにたたかい続ければよいのです。
 もちろん、ルック・アップして。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

努力

 先日、ある生徒が言っていました。
(あ、そうそう、言い忘れてました。僕は昼間高校教師なんです)
「努力しても報われねえ。正直者がバカを見る。むかつく」
 僕はクラス全体に言いました。
「努力しても報われないことはあるなあ。でも努力することは意味があるんじゃないか」
 放課後、別の生徒がやってきて言いました。
「ジローさんの言葉、納得できない」
(僕は生徒になめられているので、さんづけで呼ばれるのです)
 彼は運動部に入っていて、常に勝負の世界にいるのです。
 そして、僕は彼にさんざん説教されたのです。そんな気持ちで教壇に立っているのか、と。
 負けた自分を屁理屈で納得させてこれからも生きていくのか、とも。
「俺は、そんなつもりで、毎日努力してる訳じゃない。
もし報われないのなら、それは努力が足りないからだ」
 週末、僕はずっとそのことが頭から離れませんでした。
 そして、月曜日、僕は彼に謝りました。
「努力が報われないと、見えることはある。だけど、努力は必ず報われるんだよな」
 彼は笑顔でうなずいていました。僕を許してくれたようです。
 
 僕は、努力は必ず報われると信じてみようと思います。
 信じることは、難しいことです。
 これまでの数限りない苦い経験から、つい疑ってしまいます。
 それでも、信じようと思います。
 努力は必ず報われる、と。 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

日の丸

この前、テレビで隊旗授与式の様子を流していました。
首相は「戦争に行くのではない」と言っていました。
あの迷彩服、どう見ても、センスがいい。デザイナーは誰?
ベレー帽にスカーフ、スタイリストは誰?
その最後に、僕は驚きました。
自衛隊員たちが一斉に、自動小銃を両手で持って、
少し上に上げたのです。
これは「ささげつつ」と言って、隊旗に最上級の敬意を表す行為なのだそうです。
あれは北海道でしたが、自動小銃持ってくる必要はあったのでしょうか。
そもそも「戦争に行くのではない」のなら。

今日の新聞に自衛隊員の見送りの写真が一面に載っていました。
無数の日の丸が振られていました。

六十年前、おばあちゃんと結婚式を挙げたばかりのおじいちゃんも
あのように日の丸で見送られたのでしょう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

恋文

 僕の祖母は、一度も悲しい顔を見せたことがない。うちの犬が死んで、僕が十日間泣き続けたときも、祖母は一滴も涙をこぼさなかった。僕は鈍感なひとだと思っていた。
 イラクに自衛隊が出かけていった。戦後初めて、日本の軍隊が戦場入りした。
 先日、祖母に祖父のことを訊いてみた。戦争のことは思い出したくないと言っていた祖母に訊くのは、初めてだった。
 召集令状が届いたのは婚約中。祖父は婚約を破棄してもかまわないと言ったが、出征間際、二人はあわてて式を挙げた。祖父の行き先は南方だった。
 寄港した折り、祖母は祖父に会いに行った。その時、祖父は、腕を負傷していた。申し出れば、戦地に戻らなくてもよかった。しかし、祖母は、引き止めなかった。祖父も、当然のように戦地に戻った。その時、祖母は僕の母を身ごもった。祖父は出産のことを戦地で知った。
 祖母は、祖父の書いた手紙をすべてくれた。検閲済みの軍事郵便。南国のテントの中、ランプを引き寄せながら書いた恋文だ。ひげをはやし、日焼けして、男らしくなったことを自慢していた。しかし、次に祖母に会うときには、そのひげを剃るという。聞くところによると接吻するときに邪魔になるからだそうだ。
 祖母を喜ばせた終戦。しかし、祖父は帰ってこなかった。
 それから半世紀以上、祖母をそれ以上悲しませることは起こっていない。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

冬の寝室

娘を寝かせると、残った家事や、執筆、ネットなどをして
いつも寝るのは十二時過ぎ。
起きるのは6時だから、昼間はいつもふらふら。
でも、また夜になると、目がぱっちり。
どうしたらいいんでしょう。

僕は冷え性です。
年々、ひどくなっています。
特に脚など。このごろ、靴下カイロ貼っちゃいます。

一時近く、また娘の眠る寝室に、戻ります。
僕はこのときが好きです。
部屋中に、娘のにおいがします。
大人の女性のにおいとは、まったく異質のにおい。
部屋もかすかに暖かくなっています。
そして、布団の中が、最高です。
あんな小さな体でも、しっかりと布団を温めてくれるのです。
いつもこれからがんばって、本を読もうとするのですが
極楽の眠りについてしまいます。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

沖縄②

一月の三連休、また沖縄に行ってきました。
僕たち親子は、機動力が売りです。

一日目は、首里城。
二日目は、座間味島に行き、ホエールウォッチング。
三日目は、ガマに入り、その後、ガラスボート遊覧。

首里城を見ると、沖縄が琉球王国だったことが実感できます。
ホールウォッチングは、ザトウクジラを見ました。
十頭くらい見たかな。四畳半マンタより迫力があります。
ガラスボートは、船底がガラスで、魚がいっぱい見れます。
ちょっとダイバー気分。

ガマに入りました。鍾乳洞です。
懐中電灯を持って、娘と。
中はとても広く、もちろん真っ暗です。
二つほど、慰霊の祭壇がありました。
懐中電灯を二人で消してみました。
今まで見たどんな闇よりも暗い闇でした。
ここが防空壕になったり病院になったり、
自決の場になったりしたのです。
二人で、闇の中で、合掌しました。

沖縄リピーター、けっこういるようです。
もう行きたくなってきました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

沖縄①

離婚してから、それまでできなくて、できるようになったことがいくつかあります。
その一つが、旅行です。
夏は、二人でそれぞれのスーツケースをゴロゴロひきずって、
飛行機に乗って、どこかにいきます。
これは家族三人とか、四人とかだと、僕の稼ぎでは無理です。

この前の夏は、沖縄に行ってきました。
4泊5日で、特に予定もたてず、ゆったりと行って来ました。
とにかく、海がきれい。
水族館も、すごい。四畳半くらいのマンタが泳いでいくのです。
ホテルは、もちろん、オーシャンビュー。テラスにはハイビスカス。
沖縄のひとたちは、ひとなつっこく、すぐに仲良くなります。
本当に、とても、やさしいのです。

それでも、その沖縄でずっと感じていたことがあります。
なにか島が泣いているような気がしたのです。
沖縄のひとたちのやさしさも、悲しみを乗り越えたぶん、
いっそうやさしいような気もしました。
やはり、それは四人に一人が死んだ沖縄戦の今も残る傷跡が、
僕にそう思わせたのかもしれません。
沖縄には、いたるところに戦跡がありました。
今も日本の75パーセントの米軍基地があるそうです。
昔も今も、本土の犠牲になっている美しい島。
あんなにきれいな海でも癒しきれない悲しみがあるのでしょう。

こちらに帰ってきて、「サトウキビ畑」の歌を聴きました。
あの島の涙が凝縮された歌で、涙が止まらなくなりました。





| | Comments (0) | TrackBack (0)

冬の海岸

 テレビでこの冬一番の寒さだと言われていた日のことです。
 空っ風が斬りつけるほど冷たく吹いていました。そのくせ、空には雲一つなく、突き抜けるような青が鮮やかでした。
 いつもは脳天気な僕ですが、その日はしょんぼりしていました。うまくいかないことが、いくつも続いていたのです。
 その時も今も、僕は小学生の娘と二人で暮らしています。  打開策が見つからず、やけになった僕はその娘に冗談で言ってみました。
「海でも見に行こうか」
 驚いたことに、娘は大喜び。僕たちは、車の中で大音響のハードロックを聴きながら、海をめざしました。
 車を停め、防砂堤を登り切ると、視界の端から端まで、やや湾曲した水平線が広がりました。目の前には、無人の海岸。初めて見る足跡が一つもない砂浜に僕は感動しました。
 娘は、風を切って、波打ち際へ走っていきました。何度も立ち止まり、かがんで、振り向いて叫びます。貝殻、流木、角のとれたガラスなど。娘にとっては、宝がいくつも落ちていたのです。自分のポケットが宝でいっぱいになると、僕のポケットにも入れ始めました。
 その宝は、ポケットだけでなく、空っぽだった僕の気持ちも満たしてくれました。
 あえて逆境に身を置くこと。困難のない人生は生きるに値しないこと。マフラーのあたりに太陽の温かさを感じながら、そんなことを思ったのです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

まずはプロフィール

渥美二郎と申します。
2002年4月にシングルファーザーとなり
今は小学校二年生の娘と二人暮らし。
僕もシングルファーザー二年生。
もう家事にもすっかりなれ、今は料理が大好きです。

小説はずっと書いてきたのですが、
娘との新生活のことをテーマに書き、
ようやく初めての本ができあがりました。
それが「ルック・アップ」(新日本出版社)です。
もちろん、主人公はシングルファーザーです。

どうぞ、これからもよろしくお願いします。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Main | March 2004 »